やらかした話
少々重い話になる。
結婚を境に、自身のライフスタイルは大きく変化した。
カミさんがどちらかというとインドア派という事もあり、独身時に比べると外に出歩く機会が大幅に減った。
まあ結婚はお互いの我慢があって続くものだと思っていたので、そこはある意味仕方がない事だと割り切っていた。
むしろ独身時代に散々遊んだツケと考えてもいた。
とは言え、結婚当初は半ば無理やりカミさんを外に連れまわした事もある。
釣り、スキー、そしてキャンプ。
彼女は全くのアウトドア未経験者だったが、新鮮に楽しんでくれていたようだ。
そんな外遊びにさらに急ブレーキがかかったのは、子供が生まれてからである。
当然ながら生活は子供中心になり、自分一人でのアウトドア行脚などは皆無となる。
そして自分はというと「家族のため」の一念で仕事に熱を入れ、いつしかその状態を快感にすら感じ始めていた。
深夜遅くまでの残業は当たり前。
時間があれば休日も出社して仕事。
上司に無断で、しかも完全無給のサービス残業。
変な意味で仕事人間になった自分に酔っていたように思う。
だがその頃を境に、徐々に体調に変化が現れ始めた。
妙な疲労感、不眠、仕事への不安、情緒不安定・・・。
そんな状態が続いたある日、限界を超えた心がついに悲鳴を上げたのだった。
待っていたのは病院でのカウンセリングと投薬治療、そして長期の休職。
原因は知らず知らずのうちにため込んでしまったストレスである。
それ以来、定期的なカウンセリングと投薬が欠かせなくなってしまった。
加えて他の疾病も併発。
まさに薬漬け(?)の毎日を過ごす事になる。
遊ぶ事は怠けるという事ではない。
むしろ乾いた心と体に潤いをもたらす大切な行為であることを身をもって知る事となった。
自分を押し殺して無理を続けた先には、あまりにも大きな代償が待っていたのである。